【2nd Kitchen 栄養・食材】うま味調味料とは何ですか?安全性と活用術について。

うま味調味料は、グルタミン酸やイノシン酸、グアニル酸などのうま味成分を水に溶けやすく使いやすくした調味料です。コンビニのお弁当やインスタント食品、市販のお総菜など幅広い食品や料理に使われていますが、安全性に不安を感じる人も多いようです。

今回は、うま味調味料の安全性や活用法を紹介します。

 

うま味調味料の種類と製造法

うま味にはアミノ酸であるグルタミン酸、核酸であるイノシン酸やグアニル酸などがあり、うま味調味料も大きく分けて「アミノ酸系」「核酸系」に分けることができます。種類は異なりますが、いずれもサトウキビやトウモロコシ、小麦、キャッサバなど天然の素材から作られています。

アミノ酸系…主に、サトウキビからとった糖蜜を発酵させて作っています。昆布だしのうまみ成分として知られる「グルタミン酸ナトリウム」が得られます。

核酸系…鰹節や干し椎茸のうま味成分として有名な「イノシン酸ナトリウム」や「グアニル酸ナトリウム」も、サトウキビやトウモロコシなどを発酵して製造します。

このほか、イノシン酸ナトリウムとグアニル酸ナトリウムを混合したリポヌクレオチドナトリウム(核酸系)や、アミノ酸系うま味調味料と核酸系うま味調味料など2種類以上のうま味調味料を混合した「複合うま味調味料」などもあります。

 

うま味調味料の安全性

うま味調味料は人工的で危険というイメージを持たれることがありますが、これはうま味調味料が「化学調味料」と呼ばれていた頃、化学処理を行って小麦グルテンからグルタミン酸ナトリウムを作りだしていたことや、石油由来の化合物から作っていたためです。

現在のうま味調味料は自然由来の原料をグルタミン酸菌、イノシン酸菌といった菌で発酵させ、それを精製して作っています。製法としては味噌や醤油などの発酵調味料と基本的に同じですので、特別危険視する必要はないでしょう。

また、うま味調味料をとったことで頭痛・疲労感などの症状を発症した例が過去にありますが、これらは過剰摂取が原因で起こっています。摂取量に注意していれば安全といわれています。なお、うま味調味料の安全性はWHO合同食品添加物専門家会議などによって認められています。

 

上手な活用術

うま味調味料は塩や醤油のように使用量が増えると味が濃くなるわけではなく、一定の使用量をこえるとどれだけ使っても同じ濃さになるという特徴があります。そのため、味を良くしようとして使いすぎる傾向があり、気付かないうちに過剰摂取になることもあるので注意が必要です。製品のパッケージなどに記載されている「推奨使用量」などを目安に、味を見ながら調節していくとよいでしょう。

また、グルタミン酸やイノシン酸は異なる種類の旨味をかけ合わせることで旨味がさらにアップする「旨味の相乗効果」を得られます。グルタミン酸やイノシン酸のみのうま味調味料は単体で使うのではなく、数種類を併用するとよいでしょう。

 

まとめ

人工的で危険というイメージを持たれがちな「うま味調味料」ですが、現在のうま味調味料は自然由来の原料を発酵させて作っており、世界的にもその安全性が認められています。過剰摂取に注意する必要がありますが、塩や味噌、醤油、砂糖などの調味料も過剰摂取すると健康被害を起こすことはあるので、うま味調味料だけが危険というわけではありません。使いすぎに注意しながら上手に使ってみてはいかがでしょうか。