【2nd Kitchen 栄養・食材】秋や冬に多い、季節性うつ病とオススメの食材6つ。

10月ごろになると体が何となく重く、やる気が出ない、食欲が過剰になるといった悩みは、「夏の疲れが出ただけ」「食欲の秋だから」といった言葉で片づけられがちです。

確かに、程度が軽いものであれば遅い夏バテといえるかもしれませんが、程度が重かったり長期間続いている場合は季節性うつ病かもしれません。

季節性うつ病とは季節の変わり目や夏・冬などに症状が出る気分障害で、夏に比べると秋冬に症状が出やすく、男女で比べると女性に発症率が高いといわれています。

また、秋冬は脳内物質の一つである「セロトニン」の分泌量が減少することがわかったいますが、うつ病患者はセロトニンが減少していることがわかっており、秋冬の季節性うつ病もセロトニン減少による影響が大きいといわれています。

症状が重い場合、専門医による治療が必要かもしれませんが、症状が軽い場合や秋冬のうつ病を予防したいという方はセロトニンの不足を補う食材を摂ってみてはいかがでしょうか。

チーズ

チーズの原料である牛乳は、セロトニンの材料となるトリプトファンを多く含む食品ですが、牛乳から水分を取り除いて作るチーズは牛乳よりも多くの栄養が凝縮されています。

そのため、チーズは牛乳やヨーグルトに比べるとトリプトファンの含有量も多く、牛乳よりも効率的といえます。ビタミンやカルシウムも豊富なので積極的に摂取したいですね。

ただし、プロセスチーズは塩分が高いので、塩分の摂りすぎにならないよう注意してください。

大豆

大豆はトリプトファンを豊富に含んでいるだけではなく、女性ホルモン「エストロゲン」と同じ働きをするイソフラボンも含んでいます。

男性に比べて女性の方が季節性うつ病にかかりやすい原因は、生理周期によってエストロゲンの分泌量が変化することがセロトニンの分泌量を不安定にしているからだといわれていますので、イソフラボンを摂って不足したエストロゲンを補うことはセロトニンの分泌量を安定させるのに重要なことといえます。

大豆や大豆を使った豆腐、納豆などの食材はトリプトファンとエストロゲンの両方を補うことができます。

カシューナッツ

ビタミンやミネラルを豊富に含み美容に良い食材として知られるカシューナッツは、トリプトファンを多く含んでいます。

成人のトリプトファン摂取量は1日120mgですが、カシューナッツに含まれるトリプトファンは100g中360mgですので、一握り程度食べればよいということになります。

カシューナッツのほかにも、落花生やアーモンドはトリプトファンを多く含んでいます。

ゴマ

ナッツ類に比べるとトリプトファンの含有量はやや少ないものの、ゴマはトリプトファンを多く含んでいるだけではなく、ポリフェノールや不飽和脂肪酸なども含んでいる優秀な健康食材です。

一度にたくさん食べられる食材ではありませんが、ご飯にかけて食べるなどの方法で生活に取り入れることができます。

カツオ

カツオ、マグロ、イワシなどの青魚はトリプトファンを豊富に含んでいますが、なかでもカツオは含有量が多く、価格が比較的手ごろなので生活に取り入れやすい食材といえます。

バナナ

バナナに含まれるトリプトファンの量はナッツやチーズ、大豆に比べるとかなり少なくなりますが、セロトニンを作るために必要なビタミンやミネラルに加え、トリプトファンの吸収率をアップさせる炭水化物(糖質)を含んでいるため効率がよい食材といえます。

また、甘みがあって食べやすく安価であるなど、生活に取り入れやすいのも大きな魅力です。

まとめ

セロトニン生成には原料であるトリプトファンの摂取が重要ですが、たんぱく質やアミノ酸の合成や分解を補助する働きを持つビタミンB6や、トリプトファンの吸収率をアップする炭水化物が不足すると摂取したトリプトファンを十分に活用することができません。

また、セロトニン生成には日光も欠かせないので、食生活だけではなく生活習慣も見直していくとよいでしょう。