【2nd Kitchen コラム】もやしってどうなの?

もやし=安い のイメージが強い、もやし。栄養価はどうなのだろうか、と思っている方も少なくないと思います。今回は、そのもやしについてです。

もやし bean sprout

原産国は中国、インドネシア。日本での生産地のトップは栃木県、次いで福島県、神奈川県と続きます。旬はなく、周年出回っています。

もやしは、植物の種子を水に浸して暗所で発芽させたもので、芽と茎を食べます。もやしの栽培に必要なのは水のみです。一般にもやしというと、豆類を発芽させたものを言い。豆の種類によって味も外見も異なります。

選ぶ際のポイント)ヒゲ根の白いものを選ぶと良く、茶色く変色しているものは古いもの。

保存方法)袋入りもやしのは、つまようじで袋に一箇所穴を開けてから冷蔵庫で保存すると長持ちします。

※しかし、袋のまま冷蔵庫で保存してもビタミンC30%減少すると言われています。さらに水に浸けた状態で冷蔵庫に入れておくと、3~4日で8割も失ってしまうそうです。早めに使い切るのが良さそうですね。

もやしの種類

●緑豆もやし

熱帯地方の植物で、緑豆から作ったもやしです。現在もっとも多く流通しています。軸が太くて水分が多く、甘みがあります。

●ブラックマッペ

緑豆の近縁である、けつるあずきのもやし。日本ではもやしとして食しますが、インドや東南アジアでは豆として常食するそうです。緑豆もやしよりも細く、もやし独特の青臭さが少なくなっています。

●豆もやし(大豆もやし)

大豆が発芽したもので、太くて短いのが特徴です。たんぱく質が豊富で独特の歯ごたえがあります。加熱調理に向き、ナムルに適しています。

●アルファルファもやし(糸もやし)

中央アジア原産で、おもに牧草として栽培される種を発芽させたものです。その姿は細かくて小さいものです。

◆根切りもやし

近年、「根切りもやし」という商品が店頭に並んでいます。これはヒゲ根を取ると、見た目も口当たりも良くなることからできたもので、薬品処理されているわけではなく、精密機械でカットされているため安全な食材です。

もやしの栄養価

植物の種子が発芽するとき、植物ホルモンや酵素が活性化して、種子の状態では存在していなかったたんぱく質、ビタミン類、ミネラル類を生成すると言われています。

ゆえに、もやしの場合も豆が発芽し、伸張していく過程で、豆のもつカロリーは消費されていきますがその一方で栄養素が作られているのです。大幅に増加するのがビタミンCとアスパラギン酸です。ビタミンCの含量はもちろん、ビタミンCが豊富なレモンをはじめとした果物と比較するとわずかなものですが、もやしにもきちんと含まれています。なお、アスパラギン酸はアミノ酸の一種で、体内代謝の際に重要な働きをしてくれます。

ビタミン類や食物繊維が豊富な野菜に代表されるのは、葉菜類や根菜類であり、もやしは“芽”だから栄養価も低いのではないかと思われがちです。しかし、種類にもよりますが、特に三大栄養素の栄養価は葉菜類より高いか、あるいは同等かといった具合です。また、豆もやし(大豆もやし)は、原料の豆が大豆なので、もやしの中でも栄養価が高く、レタスなどよりも高くなっています(以下参照)。

<100gあたりの栄養価 比較> 参考)もやし1袋 200~250g

緑豆もやし 豆もやし レタス
熱量(kcal) 14 37 12
たんぱく質 (g) 1.7 3.7 0.6
脂質 (g) 0.1 1.5 0.1
炭水化物 (g) 2.6 2.3 2.8
ビタミンC (mg) 8 5 5
食物繊維 (g) 1.3 2.3 1.1

もやしは生食することはなく、加熱して食すため、多少栄養価は下がりますが、茹でるとカサが減り、量を食べることができます。カロリーも低く、かつ、冒頭部で述べたように安価なため、料理のカサ増しにもよく使用されています。

よって、もやしには、栄養分が凝縮されているため、栄養価が高いことが分かりました。家計を助けてくれて、栄養価も高い、理にかなった食材ですね。