【2nd Kitchen お弁当】お弁当ハテナその5 お弁当に入っている醤油さしの容器について。 

市販のお弁当や持ち帰りのお寿司などを購入すると、ポリエチレン性の醤油さしがはいっていることがあります。醤油ではなくソースやタレがはいっていることもある。この容器の名前は一般的には「たれびん」と呼ばれます。この「たれびん」にはどのような歴史があるのでしょうか。

 

もとはガラスや陶器だった「たれびん」

お弁当のおかずに直接醤油などをかけると水分が多くなって食味が落ちたり傷みやすくなったりするため、別の容器に入れて持ち歩くという形式は昔からありました。

現在のポリエステル製「たれびん」が登場する以前、醤油やタレを入れる容器はガラスや陶器の小ビンが使われていました。

しかし、ガラスや陶器でできたビンは破損などの危険性があるため持ち運びがしにくいという欠点があり、お弁当の利用シーンに適さないものでした。

 

ポリエステルの「ランチャーム」が登場

現在使用されているポリエステル製の「たれびん」が登場したのは、日本が高度成長期に入り、サラリーマン家庭増加や旅行ブームなどでお弁当の需要も高まった1957年の事。大阪の「旭創業」が開発製造した「ランチャーム」がその第一号でした。

軽くて密封性がよく、ガラスや陶器のように破損するリスクもない「ランチャーム」は、まさに革命的な存在といえたのではないでしょうか。

 

様々な形と味で全国展開

旭創業は「ランチャーム」のほかにお弁当の仕切りに使う「バラン」や、刺身に乗せる菊の造花などを製造している会社で、「人にやさしく食に思いやり」というコンセプトを掲げています。「食」に彩りをくわえ、豊かにしたいという考えから、「ランチャーム」も様々な形状のものが作られるようになりました。

例えば、刺身や寿司といった魚介類を使用した料理につける「ランチャーム」は「醤油鯉」とも呼ばれる魚型、焼き豚のたれであれば豚型など、ユーモラスなデザインの商品を開発しています。

また、容器だけではなく中に充填する醤油にもこだわっており、関東や関西で好まれる濃い口しょうゆ、九州で好まれる甘口醤油というように、地域や料理内容によって味を選ぶことができるなど、日本全国に対応できるよう味を取り揃えています。

ポリエステル製の容器が持つ利便性にくわえ、お弁当を華やかにするユーモラスな見た目や、地域や料理に合った味の調味料を選べるといった対応力が合わさり、「ランチャーム」は全国に普及しました。

 

まとめ

現在、「たれびん」は100均でから容器を購入することができ、キャラクターをモチーフにしたものなども販売されています。

また、「ランチャーム」も根強い人気があり、持ち帰りすしなどに入っている醤油が魚型のランチャームでないとなんだか寂しいという方もいるようです。

近年は小袋タイプの醤油さしも増えていますが、見た目の可愛さからアクセサリーやおもちゃに活用されることもあるランチャームは、今後も長く愛されていくのではないでしょうか。