【2nd Kitchen コラム】アスリート スポーツ選手の身体作りのための食事管理⑧

アスリートにとっての”たんぱく質摂取” その2

②筋合成のためのたんぱく質摂取

トレーニングによる強い刺激により、まず筋肉は壊されます(筋肉痛に相当)。壊れた筋肉は2〜3日ほどがけてたんぱく質によって修復されます。そして、この刺激を与えては筋肉は壊されて、またそれを修復して、というのを続けることになりますが、これがトレーニングであり、この一連の流れを1年ほど繰り返すと、筋肉の厚みが増します。そして、この現象が筋肥大と言われるものです。この筋肥大のイメージが分かると、たんぱく質をたくさん摂取したからといって、より筋肉が大きくなるわけではなく、ゆえに必要以上にたんぱく質を摂取しても意味がないことが分かりますね。また、特にレジスタンストレーニング(筋に負荷をかけたトレーニングのこと-いわゆる筋トレ)をしているヒトは、リカバリーに必要な栄養素を運動直後に摂ることで運動後の筋合成も高まることを意味しています。さらに、レジスタンストレーニング後、48時間以降もたんぱく質代謝が亢進することも理解できますね。そこで、トレーニング後のたんぱく質摂取は、トレーニング直後に限定するのではなく、1日を通して体内のたんぱく質の利用に応じて行う必要があります。さらに、インスリンの作用により血液中の糖質は細胞や組織に運ばれ、糖質の分解が軽減されることから、たんぱく質のみならず、筋肉のために糖質の摂取も大切であり、併せて考える必要がありますね。

たんぱく質の過剰摂取

国際オリンピック委員会(IOC)において、「タンパク質の摂取量について、2~3g/日を超えて摂取しても筋合成などによい影響を与えるという明確なエビデンスはない」とされており、体重1kgあたり2g/日以上を過剰摂取の目安としています。たんぱく質はアミノ酸が80以上複雑に結合しているため、過剰な摂取は消化吸収に時間を要します。分解されたアミノ酸は、肝臓に運搬され、血液中のアミノ酸の補充や、酵素やホルモンなどの生成時に使われますが、一定量以上のアミノ酸は、身体にとって過剰であり、それらは、中性脂肪となります。ゆえにたんぱく質の過剰摂取も体重過多につながるのです。また、アミノ酸はN(窒素)骨格を含むため、毒性の強いアンモニアも増加することとなり、その処理を行う肝臓の仕事が増加することに繋がります。一方、尿素の調節は腎臓で行われています。ゆえに、たんぱく質の過剰摂取は肝臓および腎臓の仕事を増加させ、両臓器を疲弊させ兼ねませんね。さらに、動物性たんぱく質には含硫アミノ酸が多く含まれているため、尿中のリン酸塩、硫酸塩が増加し、尿が酸性化し、カルシウムの再吸収が抑制され、尿中カルシウムが増加し、尿路結石や骨粗しょう症などのリスクが高まることも懸念されるのです。