【2nd Kitchen コラム】アスリート スポーツ選手の身体作りのための食事管理⑤

今回は、前回のアスリートの糖質摂取についての続きです。糖質をどのような食品から、いつどのくらい摂取するかを考えて摂取する必要があることを述べ、糖質を含む食品について考えました。今回は、”いつ”、”どのくらい”についてです。

いつ-糖質摂取のタイミング

通常の量を食べた3時間後の胃の中は、まだまだ消化しなくてはならない状態です。ごはんやパンなど(糖質)の胃内停滞時間は約2~3時間と言われています。しかし、肉類や魚介類などのたんぱく質は約4~5時間、油脂類は約7~8時間にも及びます。

◎糖質摂取タイミングのポイント◎

①練習や試合の開始時刻が、朝食・昼食・夕食の食事開始時刻に影響するか

②1日3回の食事でエネルギー必要量を摂取することが可能か、補食が必要であるか

③練習や試合の時間はどのくらいであるか、その間、飲食はどのくらい可能であるか

④食後、どのくらい時間をおいてから運動を開始することになるのか

3食でバランスの取れた食事をし、エネルギー必要量の3/4を摂取。残りの1/4を補食と、練習時のスポーツドリンクなどからの糖質補給で割り当てます。運動開始時刻の2時間半前までには食べ終え、血糖値を空腹時の状態にしておくと良いとされています。また、運動直後の糖質摂取により、筋グリコーゲンのリカバリー効果が高まるとされています。運動後の回復期間中早期の4時間までは、糖質の摂取を約1~1.2g/kg/時例:体重60㎏の場合だと、1時間当たり、60~72g)にすることでリカバリー効果を最大限にすることができ、その後の糖質摂取が適切であれば、24時間で回復するとされています。

どのくらい-糖質摂取の目安量

状況 糖質の摂取目安量
軽運動・技術練習 3~5g/kg/日
1日1時間程度の練習 5~7g/kg/日
1日1~3時間程度の持久的な運動(中~高強度) 6~10g/kg/日
1日4~5時間、またはそれ以上の過度な運動(中~高強度 8~12g/kg/日
試合前の補給 運動1~4時間前に1~4g/kg
持久性運動(1~2.5時間)中 ※動いたり止まったりを繰り返すスポーツも含む 30~60g/時
超持久性運動(2.5~3時間またはそれ以上)中 90g/時が上限

また、スポーツドリンクなどの糖質が入った飲料で口をゆすぐ、マウスリンスは疲労感の軽減につながるとの報告もあるようです。

糖質の摂取は、如何なる身体活動において必須なものであり、またパフォーマンスに直結します。摂取タイミングや糖質の質・量の調整をしながら自身に合った糖質摂取を見付けられると良いですね。