【2nd Kitchen コラム】アスリート スポーツ選手の身体作りのための食事管理③

2回のコラムに渡り、スポーツ選手の食事の基本は”バランスよく”摂取する旨について述べて来ました。しかし、アスリートはアスリートでない場合に比較して必要なエネルギーや栄養素量が多いため、バランスのよい食事だけでは不足する場合があります。アスリートの中には悩んでらっしゃる方もおられるのではないでしょうか。

不足してしまう可能性がある理由

①必要なエネルギーや栄養素に対して実際に食べる量には限界がある

②運動中は効率よく消化・吸収することが困難

③よって、運動時間の増加につれて効率よく消化・吸収できる時間が減少する

運動中は、交感神経と副交感神経よりなる自律神経の交感神経が優位になるため、拮抗的に副交感神経は抑制されます。つまりは、消化・吸収が抑制されるため効率よく、体内での消化・吸収は行われないことになります。睡眠時間を含め、気持ち的にもゆったりとしている時に副交感神経は優位となり、消化・吸収も効率よく行われるのです。したがって、トレーニングに打ち込んでいるアスリートにとって1日の中で消化・吸収を効率よくできる時間、そして量が限られてきます。

アスリートが優先して摂取したい栄養素は

食べる量に限界を感じる場合、アスリートが優先して摂取したいのは”エネルギー”です。必要なエネルギー量をまかなえるよう、まずは、エネルギー源となる、糖質・脂質・たんぱく質の摂取を考えると良いでしょう。その上で残っている胃の容量分でビタミン・ミネラルの補給を考えると良いとされています。やはり、食事において、具合を崩すことはストレスになりかねません。食べ物の容量的にも無理なく、ということがポイントのようですね。

食品のカサについて考える

前コラムで野菜類をカサを減らして摂ることがポイントだと述べました。ここでエネルギーおよび栄養素の食べ物のカサについて考えたいと思います。必要な栄養素を摂取するために、食べ物のカサが高いものを大量に摂ることは困難です。反対にカサが低く、栄養素が入っている食品は摂取しやすいことになります。つまり、それらは栄養素密度の高い食品ということになります。

前項で、優先的にエネルギー源を摂取し、残りの胃の容量分でビタミン・ミネラルの摂取を考えると述べました。具体的に食事で考えると、主食(ごはんやパン)と主菜(肉類や魚類)で必要なエネルギーを確保し、ビタミン・ミネラルの供給源である野菜類や海藻などのカサが高く、低エネルギーの食品は食べられる分だけ食べます。食べられなかった摂取不足分に関してはサプリメント(栄養素密度の高い食品)で摂取することも選択肢の一つとして挙げられてきます。食事を十分に摂らず、サプリメントに頼る方も中にはいらっしゃるかもしれませんが、あくまでも”不足分を補うもの”、として捉えたいですね。