【2nd Kitchen コラム】三大栄養素 その2 たんぱく質

今回は三大栄養素のその2、”たんぱく質”です。

たんぱく質

筋肉、消化器、臓器などの組織は主にたんぱく質から構成されているように、我々の体は水と脂肪を除けば残りのほとんどがたんぱく質でできています。たんぱく質は約20種類のアミノ酸が多数結合してできた高分子化合物であり、人間にとって必須の栄養素の一つです。また、体内での物質代謝反応に関与する酵素、免疫反応で働く抗体のすべてや、生体を調節する因子となっているホルモンの一部などもたんぱく質からできています。しばしば耳にする、コラーゲンやヘモグロビンなどもたんぱく質です。

アミノ酸

前述のとおりアミノ酸はたんぱく質を構成している物質です。アミノ酸の構造上、窒素が含まれているため、たんぱく質には、糖質や脂質とは異なり必ず窒素が含まれています。

●必須アミノ酸

なぜこう呼ばれるのかと言いますと、たんぱく質を構成するにあたり、ヒトの体内では合成できず、体外から取り入れる必要があるからです。たんぱく質が必要不可欠な栄養素であることは、たんぱく質を窒素の主要な供給源としていることに加え、これらの必須アミノ酸の摂取のためです。なお、必須アミノ酸は全部で9種類あります。

消化・吸収

たんぱく質の化学的な消化は胃より始まりますが、ここでの消化は部分的なものであり、小腸にて大量に分泌される膵液によって本格的に消化が行われます。それぞれ胃液や膵液中にはたんぱく質の消化に関わる酵素が含まれています。最終的にアミノ酸となったたんぱく質は糖質と同様に肝臓に運ばれます。なお、我々の消化器や消化液を分泌する組織や細胞もたんぱく質で作られていると述べましたが、消化酵素がこれらを攻撃したり、分解したりしないように合理的な仕組みが存在します。その一つとして、消化管内には絶えず粘液が分泌されており、消化管の表面を覆っているため、消化管は自身のたんぱく質分解酵素からの攻撃を免れているのです。

合成・分解

体内のたんぱく質総量が一定の状態でも、たんぱく質の摂取は必要です。これはたんぱく質の一部が合成、分解され、さらに分解されて生じたアミノ酸の一部が尿素として絶えず排泄されているからです。私たちの体に含まれるたんぱく質は絶えず新しいたんぱく質に更新されているのです。特に、血液、肝臓、消化器官のたんぱく質は更新スピードが速く、筋肉や骨中のたんぱく質は比較的ゆっくりです。反対にたんぱく質合成も絶えず行われています。

たんぱく質の栄養価

食品のたんぱく質の消化吸収率が高いこと、アミノ酸組成が優れていることが、食品に含まれるたんぱく質が栄養学的に優れている条件となります。必須アミノ酸の含量やバランスがヒトの体たんぱく質合成での要求性に近いほど、吸収後有効に利用されることになり、優れたたんぱく質と言えます。しかし、食事の中に特定の必須アミノ酸が少ないたんぱく質が含まれていても、他のたんぱく質からその不足したアミノ酸が供給され、結果全体としては補われていることが多いようです。よって、我々の食生活ではさまざまな食品を組み合わせて食べているため、無意識のうちに栄養価が改善されています。一方、たんぱく質の多量摂取は生活習慣病との関連で懸念されています。ゆえに実際には主としてたんぱく質の摂取量に注意すれば良いこととなります。なお、「日本人の摂取基準2015年版」において、推定される平均的な必要量は、18歳以上男性で50g/日、女性で40g/日とされています。

おにぎりのみの昼食などはどうしてもたんぱく質の摂取量が低下します。朝昼夕でバランスよく摂ることはなかなか難しいですが、0より1です。可能な範囲で取り組めると良いですね。おにぎりやサンドウィッチならば具材に少し気を付けると少し違うものです。例えば、梅や昆布よりも鮭やツナを選ぶと後者の方がたんぱく質は摂れますね。また、種類にもよりますが、おかずがしっかり入ったお弁当は嬉しいですね。